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逗子で文章教室開く83歳脚本家、三宅直子さんが自分史刊行

(手前)三宅直子さんと、装丁・イラストを担当した長女、桑原泰恵さん

(手前)三宅直子さんと、装丁・イラストを担当した長女、桑原泰恵さん

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 逗子の古民家スペース海山時間(逗子市久木4)で「自分史・ブログ・エッセイ教室」を開いている脚本家の三宅直子さんが「好きなことを見つける魂のアンテナ術~エプロン作家83歳マル秘逆転記」(マル秘は丸の中に秘が正式表記)を9月25日、刊行した。発行元はパレード。

「好きなことを見つける魂のアンテナ術~エプロン作家83歳マル秘逆転記」(マル秘は丸の中に秘が正式表記)

 三宅さんは30歳で懸賞テレビドラマに入選し、シナリオ作家協会研修科修了後に石森史郎に師事。1970(昭和45)年に「いたずら天使チッポちゃん」で脚本家としてプロデビューする。代表作はテレビドラマ「ケンちゃんシリーズ」「あばれはっちゃく」、アニメ番組「樫(かし)の木モック」「キャプテン翼」など400本余りを執筆。アニメ番組「ちびまる子ちゃん」のスタートにも携わっている。2012(平成24)年に母と夫を亡くしてからは小説を書き始め、母をモデルとした「天晴(あっぱ)れ オコちゃん」で「第2回かつしか文学賞」大賞を受賞している。

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 本の装丁・イラストを担当した三宅さんの長女、桑原泰恵さんは1992(平成4)年、結婚を機に逗子に移住。LOCOMAMA NETWORK(ロコママネットワーク)代表を務め、逗子市体験学習施設内の「カフェちょこっと」や「池子ほっとスペース」の統括をし、逗子・葉山の子育て世代に向けたポータルサイト「海山時間」の運営などをしている。

 桑原さんの義父母が暮らしていた築70年の家が空き家になり、レンタルスペースとして活用を始めた際に、三宅さんに文章教室の開催を提案した。三宅さんは30代の頃から多くのシナリオ教室など講師業もしていたためすぐに話は決まり、昨年10月から「自分史・ブログ・エッセイ講座」を始めた。

 今年3月から新型コロナウイルス禍で講座を開くことができず、都内の自宅にこもっていた三宅さんはボイスドラマの仕事を機に自分史を書くことを思い付く。「小学生の頃から何か書く人になりたいと思っていたが、まだ『女性は手に職をつけなさい』と親に言われる時代で、洋裁学校で学び、卒業後結婚、普通に主婦になった。それでも何か書きたいと、泰恵をおんぶしながら原稿用紙に向かい、新聞に投稿していた」と三宅さん。「女と靴下は強くなったと言われた時代だが、夫はメシ・風呂・寝るの人。仕事をしたいと相談した時に反対はされず、子どもたちを鍵っ子にはしないでほしいとだけ言われた」と話す。

 泰恵さんは「母は何本もレギュラーを抱え忙しかったはずだが、寂しい思いをしたこともないし、不自由をしたこともない。晩酌好きの父のためにおかずも数種類あった」と振り返る。「出版した本に母をモチーフにしたイラストを描いたが、エプロンをして家事をしながら普通の主婦がいくつものハードルを乗り越えながら書き続けたということが伝えられたら」と話し、「読んでくださった方から、元気が出た、エネルギーをもらったと言われる。ドラマ仕立てで読みやすいと思う」と続けた。

 文章教室は9月から再開している。