南郷上ノ山公園内芝生広場(葉山町長柄)であずまや「梓(あずさ)亭」のお披露目式が10月20日、改元奉祝事業の一環として行われた。主催は葉山町改元奉祝実行委員会。
葉山御前太鼓保存会が太鼓演奏を披露。昭和天皇の御前で披露したことで「御前太鼓」と命名された
同委員会は、「御用邸のある町」葉山として、天皇陛下退位および新天皇陛下即位を祝うために立ち上げられた町民25人による会。式の中で委員長の柳新一郎さんは「改元を記念して何か形として残したいとの思いから、この事業に賛同する町内の建設関係事業者の協力を得て、建立に至った」とあいさつ。「あずまやの名前は天皇陛下のお印である梓にした。海岸に近いしおさい公園の潮見亭と緑の中の梓亭が多くの町民にとって憩いの場になり、昭和、平成、令和と綿々と続いてきた御用邸の町としての伝統をつなげていかれたら」と話す。
潮見亭(一色)は1993(平成5)年、上皇のご成婚記念で建立した休憩所。梓亭は、潮見亭を模して同じ大きさとした。半径3メートルの六角形で高さは5メートル。総ヒノキで、屋根は銅葺(ふ)き。亭内の椅子は、風の子保育園建設に伴い、道路工事において伐採せざるを得なかったアカマキを再利用した。
除幕の後、あずまやの東側に梓を、西側に上皇天皇のお印である桐(きり)を、山梨崇仁町長や柳委員長らと地元の「あけの星幼稚園」の園児たちが植樹した。あずまやの山側には、1959(昭和34)年に昭和天皇皇后両陛下のご成婚を記念し、町民に配布したという夏ミカンが植えられている。
式の中で山梨町長は「いつも多くの町民がここを利用している。お弁当をトンビに狙われずに食べられる場所が公園に欲しいという声にも応えたかった。奉祝の思いをこういう形にできたことでその思いを皆さんで共有したい」と話し、「材木の調達には、奉祝に共感して寄せていただいた『ふるさと納税』を使った。葉山町の重要なシンボルとして警察の巡回も始まる。皆さんで『御用邸の町』であることを大切に守っていきたい」と呼び掛けた。
葉山町では10月22日、即位礼正殿の儀の日に合わせ、記念式典と奉祝コンサートを企画している。会場は町福祉文化会館。