京浜急行電鉄が1月25日、「新逗子駅」を含む4駅を2020年3月に改名すると発表し、京急「新逗子駅」は「逗子・葉山駅」に改名されることが明らかになった。
逗子線の開業88周年を記念して2018年4月から掲示されている新逗子駅の駅看板。1930年開業当時の雰囲気をイメージした木目調の特別装飾の駅名標。2019年3月31日まで実施される
同社は創立120周年記念事業として、沿線地域の活性化につなげることを目的に、町名、地域のシンボル、乗降者の利便性などを総合的に判断し検討していた。沿線の小中学生を対象に行った「わがまち駅名募集」には1119件が寄せられた。
「逗子・葉山駅」改名の選定理由については、「羽田空港からの直行電車の終端駅のため、行き先として駅名が表示されることにより、多くのお客さまに保養地,景勝地である葉山へのアクセスポイントでもあることを広く認知していただく」ことなどを挙げる。広報担当者は「応募された駅名は公表しないが参考にした。5年後10年後、この名前にして良かったと地域の方に思ってもらえるよう地域活性化に貢献したい」と言う。
逗子市には、1930(昭和5)年4月1日に開業した湘南電気鉄道が、終着駅として「湘南逗子」を設置。1931(昭和6)年、「湘南逗子」の先約400メートルの位置に「湘南逗子葉山口」駅を新設、既存の「湘南逗子」駅は「湘南逗子沼間口」駅と名称を変更。1942(昭和17)年8月には「湘南逗子沼間口」駅廃止。同年9月1日、「湘南逗子葉山口」駅を再び「湘南逗子」と名称変更、あらためて終着駅になった。
1948(昭和23)年7月、「湘南逗子葉山口」駅が「逗子海岸」の名称で復活。そのため、今回の駅名変更時に、「逗子海岸」の駅名復活を望む逗子市民の声もあった。1963(昭和38)年11月には、「湘南逗子」駅の名称が「京浜逗子」に。現在の「新逗子」開業は1985(昭和60)年3月2日。「京浜逗子」と「逗子海岸」の両駅が統合された。
葉山という町名が加わることで、葉山町商工会会長、柳新一郎さんは「葉山口という名前もあったし、葉山女子旅という企画の効果などもあり、京急電鉄としては葉山に期待してくれたのかなと思う。地域としてもその期待に応えられるようにしたい」と話す。
駅名変更と同時期に、「副駅名標」が駅看板の一部に表記される駅ができる。「逗子・葉山」駅の副駅名は「新逗子」となる。
「新逗子」のほかに、産業道路が大師橋(だいしばし)に、花月園前が花月総持寺に、仲木戸が京急東神奈川に、それぞれ駅名を変更する。