湘南邸園文化祭イベント「東伏見宮葉山別邸をひらく 再生と完成」が11月9日、旧東伏見宮別邸(葉山町堀内)で開催される。主催はNPO法人「葉山環境文化デザイン集団」。
国登録有形文化財でもある同建物は同町に残る唯一の皇族の別荘。戦後すぐにイエズス孝女会に維持管理を託し、修道院として利用されていたが、約110年がたち、老朽化もあり維持が難しくなった。昨年7月、地元住民や建築の識者、まちづくり団体関係者などにより一般社団法人「La Casa Blanca Hayama(ラ・カサブランカ・ハヤマ)」が発足。改修と利活用に向けて、地域を巻き込んだ活動が始まり、観光庁の助成金、寄付、出資金などで工事費や設計関連、家具入れ替えなどの資金を調達し、建物を再生した。
同NPOは2001(平成13)年、発足当時から同別邸を見守ってきた。継続危機を早くから心配し、代表の高田明子さんはラ・カサブランカ・ハヤマの理事として再生に携わった。「6月に再出発してから別邸の利用は会員制になった。ここ数年、町民が部屋を借りて音楽会などを開いてきたが、会員制ということでまだ再生した建物内をご覧になっていない町民や遠方のファンの方も多い。そのため、一般公開できる今回の貴重な機会に足を運んでもらえたら」と話す。
当日はフラメンコ舞踏教室「ラス・モナス」(葉山町)主宰のカルメン・ポルセルさんのフラメンコショーや、ギターリストで作曲家の欣侘東生さんとバイオリニスト・宮崎蓉子さんのライブを披露する。以前、音楽会を同邸で開いた欣侘さんはホールの良さを感じ、再び演奏したいと願っていたという。
飲食も、スペインにちなんだメニューの提供を予定する。
高田さんは「再生に当たり、111年前、大正時代当時の設(しつら)えに戻したものも多い。宮家の御紋も残している。一方、宿泊もできるので水回りはすっかり新しく整えた。再生した別邸をご覧いただき、継続への思いを知っていただけたら」と期待を込める。
開催時間は11時~16時(出入り自由)。参加費は、大人=4,000円、中学生=2,000円、小学生以下無料(入館料・ダンス&音楽鑑賞代含む)。