
逗子在住の写真家・長島敏春さんの写真展「海」が10月11日から、「海と森のギャラリー」(逗子市新宿5)で開催される。
長島さんは水中写真家として活動を始め、2007(平成19)年、温暖化による石垣島のサンゴ礁大白化(はっか)に遭遇し、2009(平成20)年、雑誌「アサヒカメラ」に写真を発表した。その後、国内外のサンゴ礁の写真を撮り続け、ホームページに掲載の「生命のサンゴ礁」は2011(平成22)年度の環境goo大賞「ユーザー大賞」にも選ばれた。
10年前、逗子の小坪沖・オオタカ根に生存するサンゴ礁に関心を持ち、逗子に移住。2016(平成28)年から「逗子アートフェスティバル」に自由企画として参加している。昨年も参加予定だったが、年明けから足の痛みがあり、歩行も不自由になってしまい、参加を取りやめた。
長島さんは「最初は関節痛だと思い、約半年、整形外科を受診して膝にたまった水を抜いたり痛み止めを飲んだりしていたが、『膠原(こうげん)病』と診断された。痛みで立てない、歩けない時期があったが、処方された投薬のおかげでやっと最近、逗子海岸の東から西まで(ハーフマイル)歩けるようになった」と話し、「自分で物事を決めたがる性格だったが、少し変わった。物の見方が変わったよう」とも。
昨年から、写真展のテーマは原点の「海」に決めていた。外出できない間、撮りためた約2万枚以上の写真を選別。「写真家には2つの作業がある。一つは撮る、もう一つは撮ったものを選び、どのようにプリントして表現するか。選びながら、今まで見落としていたものに気付いた。単に絶景とかきれいとかではなく、私の心象が表現された写真40点を展示する」と長島さん。
プリントする紙もイギリスのメーカーの発色のいいものを使っていたが、今回は岐阜県美濃市の「局紙(きょくし)」を使い、風合いを大切にする。局紙を紹介するなど長島さんが「出会って、刺激を受けている」という石井仁志さんとのトークショーを11日に予定。石井さんは20 世紀メディア評論・メディアプロデューサーで、多くの写真展を企画している。
「写真展は逗子アートフェスティバルの参加企画だが、参加することで逗子に移住してきた若いファミリーが見に来てくれる。逗子の海のいろいろな表情、サンゴ礁があることも知ってほしい」と呼びかける。
営業時間は13時~18時。火曜・水曜定休。10月19日まで。