
葉山の老舗ビーチサンダル専門店「げんべい商店」(葉山町一色)が7月17日、地球環境に配慮した生分解性ビーチサンダル「エコビーサン」を発売した。
同店は江戸時代(1863年ごろ)に足袋屋として誕生し、1955(昭和30)年、ビーチサンダルを仕入れて販売し始め、今年で70周年を迎える。年間3~4万足を販売しているという。
5代目葉山英三郎さんの長男・恵太さんは「海で流されてごみ(海洋プラスチック)として長期間漂流してしまい、浜に流れ着いたビーサンを目にして心痛めていた」と言い、2017(平成29)年からこの問題と向き合い、アートイベントを開催したり、船のフェンダーに再利用したり、リサイクルを試みたりするなどしてきた。そうした活動の中、2021年に「生分解性促進添加剤」と出合う。
英三郎さんらは同添加剤がプラスチックに少量添加することで、自然環境で分解されることを知る。さまざまな生分解促進添加剤について調べ、「eco-one」という促進添加剤がオーストラリアのサンダルメーカーで使用実績があることが分かり、試作品を製作。恵太さんは「10カ月間、実際に毎日履き続け、履き心地や耐久性に問題がないことを確認できた」と説明。「70周年という巡り合わせもあり、1200足限定ながら販売に至った」とも。
ソールの色は同店のオリジナルTシャツで好まれているというアシッドブルー。鼻緒は11色を用意する。価格は2,200円。
現在、アメリカの第三者機関に生分解試験を依頼中。正式な試験結果を踏まえ、数年かけて取り扱う全てのビーチサンダルを「エコビーサン」にすることも考えていくという。