逗子市立小坪小学校（逗子市小坪3）で2月26日、防災授業「『命をまもる』ということ」が行われた。

児童らはタブレットを使い、授業に参加

　東日本大震災被災地（宮城県）を発生当時から継続的に訪問しているグループ「みやびツアーズ」の元教諭、村松雅さんの話を4年生～6年生（各2クラス）が学年ごとに聞いた。

　2011（平成23）年の震災発生時、横須賀市内の小学校長だった村松さんは3月11日後に行われた卒業式で被災地の状況を踏まえ、「最初で最後の宿題は具体的に行動すること」と呼びかけた。すると卒業した6年男児の一人が地域を回って募金を呼びかけた。村松さんは「その男児の行動は私が被災地支援をするきっかけになった」と言い、教師仲間などとともに宮城県内の小中学生の学習支援や交流が続いている。

　授業ではスライドにまとめた被災地での出来事を伝えた。飲み物を確保するために壊した自動販売機、津波で流される前後の大川小学校などの建物、燃えた家がぶつかって焼けてしまった門脇小学校、仮設住宅などが写し出され、児童らからは「そんなことがあるんだ」「えっ、町が消えている」など思わず驚きの声がもれた。

　授業の最後は、被災した小学校の元校長から「一番にしてほしいことは、災害が起きた場合の集合場所を家族で決めておくこと。まずそれぞれが逃げて、自分の命を守ることが大切」と、ビデオメッセージを通して伝えた。

　授業を受けた4年生からは、「津波で町が大変になることは知っていたけど思っていたよりすごかった」「家族でいろいろ話したいと思った」「常に『地震が来るかも』と、もっと覚悟を持って生活したい」、6年生からは、「被災した地域の人たちが緊急事態に優先順位を考えて行動していたことが印象的だった」「ハザードマップを見直して家族と避難場所を決め、家族の電話番号も覚えようと思った」などの感想が聞かれたた。

　村松さんは「被災者から学んだことを忘れずに、具体的に行動してもらえたら」と力を込めた。