逗子・小坪漁港の正月恒例の伝統行事「みかん投げ」が1月2日に行われ、多くの市民が集まった。
小坪海岸の浜に係留された漁船からの「みかん投げ」に集まる人、人、人
「みかん投げ」は漁業者の守護神・八大龍王(はちだいりゅうおう)社の祭事の一つ。漁師らが一年の豊漁と海上での安全を願って龍宮にミカンを奉納した後、10時に小坪漁業協同組合の建物前に置かれたトラック上から始まる。
主催する同組合の大竹清司組合長が「奉納したミカンは福みかんなので、福を持ち帰って」とあいさつし、東西南北に投げたあと、まずおひねりのタオルに包んだミカンが投げられた。
トラック上が終わると、大漁旗をたなびかせ、岸壁に停泊中の4隻の遊漁船、浜に係留した約10隻の漁船が順番に行う。集まった人たちはその順番に合わせて足早に移動する。老若男女問わず、手を伸ばし、福ミカンや福銭、駄菓子などをキャッチし、持参した袋に詰め込んだ。浜は「今年のミカンは大きくて甘いね」「初めて来たけど楽しかった」「たくさんもらえてうれしい」などという家族連れや友人連れの笑顔であふれた。
大竹組合長は「今年はミカンが高くて大変だったが皆さんに喜んでもらえるのでがんばった。人は昨年よりは多かったが、コロナ前に比べると少ない」と言い、「昨年はシラスもタコも不漁で、種付けしたワカメも2度3度と食べられてしまい、厳しい状況だが、昔もこういうことがあり、挽回してきた。自然が相手だから回復するまで踏ん張っていく」と力を込めた。