葉山の「にこにこ保育園」(葉山町長柄)の松尾真弓園長が、11月8日に八王子市上柚木公園陸上競技場で開催された東日本マスターズ陸上競技選手権大会の「W65 4×100メートル」で、神奈川県チームのメンバーとして世界新記録を樹立した。
W65 4×100メートルで世界記録を樹立した松尾さんと孫。にこにこ保育園の園庭で
1走の松尾さんに続き、2走=高橋葉子さん(横浜市)、3走=堀良子さん(横須賀市)、4走=歌川由美さん(横浜市)から成る神奈川県チーム。これまでの世界記録は2016(平成28)年にドイツチームが仏リヨンで出した1分00秒31。今回、松尾さんたちは1分00秒09の記録をたたき出した。
松尾さんはW70の60メートル、100メートルの日本記録保持者だが「日本記録とは全く違う。宙に浮いているような気持ち」と驚きを隠せない様子。高橋さんもW65の60メートル、100メートルで、堀さんもW70の400メートルで日本記録保持者。「歌川さんも同年代に強い高橋さんがいて記録保持者にはなかなかなれないが、100メートルを15秒台で走る実力者。ベストメンバーで走らせてもらえた。私以外の3人は元々世界記録を狙っていた」と松尾さん。
60メートル、100メートルに参加する松尾さんは「一日3本目となるリレーは難しいと思っていた」が、今年は10月の全日本マスターズに向けチームに参加。福岡県博多まで遠征したが大雨と落雷で中止に。「走れなかったことが悔しくて、そこから毎週のように4人でバトンパスなど練習を重ねた」と松尾さん。「7月に膝を痛め、2カ月走れなかったので不安は大きかった。諦めないで良かった」とも。
松尾さんは「この記録は整骨院を営む夫と私の作品」と夫に感謝を述べる。故障した足も夫が回復させ、バトンパスも共に練習した。園児らに世界一を報告すると、「世界一って何?」と言われたそうだが、「子どもたちには世界で活躍してほしいと伝えたいし、同世代にはいくつになっても走れると励みにしてもらえたらうれしい」と話す。
11月15日には松尾さんが発起人となり、昨年始めた「にこりんダッシュハーフ50メートルタイムトライアル」を開催する。松尾さんは「ぜひ一緒に走りましょう」と参加を呼びかける。