
デフリンピック・射撃の10メートルエアライフル競技に出場する葉山在住の永田英司さんが9月15日、逗子で開催されたイベント「音のないフェスティバル」で本番に向け講演を行った。
日本で初めての開催(11月15日~26日)となるデフリンピックは聴覚に障害がある人が競うオリンピックで、今年100周年を迎える。
生まれつき聴覚障害があった永田さんは声の訓練を受けながら聾(ろう)学校には通わず、高校卒業後、歯科技工士の資格を取得。2014(平成26)年には「全国障害者技能競技大会(通称=全国アビリンピック)」の歯科技工種目で銀メダルに輝いている。
現在は横浜地方裁判所で事務の仕事をしながら「くりはま花の国エアライフル射撃場」(横須賀市)に通い、練習を積んでいる。今年1月、東京で行った合宿内で選考会があり、2位で出場が内定した。
射撃との出合いは2023年7月。日本ろう者ライフル射撃協会が神奈川県聴覚障害者福祉センター(藤沢市)で行った「第1回ビームライフルスポーツ射撃体験会」。永田さんは講演で「初めてだったが、いい点数だったため誘われるままに始めた。銃砲所持の資格を取るため久しぶりに50代で勉強して大変だった」と振り返った。
銃刀法により銃の所持に厳しい制限がある日本での競技人口は欧米などと比べて少ないといわれ、日本ライフル射撃協会によると、ビームライフル(非五輪種目)を含めた競技人口は約1万人としている。
「デフリンピックもほとんど知らなかったので決まってから慌てている」と永田さん。「エアライフル射撃を始めてまだ1年なので良い成績は約束できないが、ベストを尽くせるように練習している。射撃競技人口が少ないので、皆さんに知ってもらえるように頑張りたい」と力を込める。
葉山在住のデフリンピック選手はバレーボルの中田美緒さんと2人。町では大会後、報告会を予定している。