
葉山の森戸海岸に面したコンパクトデザインホテル「SCAPES THE SUITE(スケープス・ザ・スイート)」(葉山町堀内)が9月1日、「生おせち三段重」(全18品)の販売を始めた。
ホテル「SCAPES THE SUITE」のシェフ、熊谷直幸さん。手には「生おせち」の一メニュー「葉山石井ファーム牛トリッパのトマト煮込み」
同ホテルは2023年4月、改装リニューアルを機に「土地の色を通して葉山の魅力をプレゼンテーションするホテル」というコンセプトに刷新。その2年前、系列ホテルのレストランから異動してきたシェフ、熊谷直幸さんを中心に料理も月ごとに色を変え、食材も改めて葉山を中心に三浦半島にこだわってきたという。おせちも素材の本来の味を届けられるよう「生おせち」に変えた。
「最初に葉山石井牛の石井さんに出会い、特別な飼育方法と餌、その肉のおいしさに引かれた。赤身と脂身のバランスが良く、うまみもあり、甘みも感じる。石井さんから三崎黒潮キンメダイや葉山生姜(しょうが)のマイケル・キダさんなど紹介してもらい、地元に多くの食材があることを知った」と熊谷さん。
「生おせち」は、作りたての料理をそのまま冷蔵するおせち料理のこと。目玉は、葉山石井牛。「ローストビーフのユズしょうゆソースのユズは石井ファームの山で取れたもの。トリッパは臭みがなく、トマトと白インゲンでじっくり煮込んだ」と熊谷さんの説明にも力が入る。神奈川県産やまゆりポークの角煮は葉山生姜と、「泉橋酒造」(海老名市)の「吟醸醤油(しょうゆ)」で煮込む。「ノルウェーサーモンのマリネ 逗子あかもくしょうゆ漬けイクラ添え」は逗子・小坪産の乾燥アカモクを使ったしょうゆに漬ける。
ドリンクとして添えるシャンパン「ヴーヴ・クリコ」のハーフボトルは、同ホテルのファウンダー、杉元崇将さんが「おせちにはこれ」と選び、当初からセットにしている「自信の銘柄」だという。アルコール以外を希望の場合は「パトリック・フォン」(ぶどうジュース2種)になる。
価格は5万5,000円で、限定30食。昨年まではホテルで受け渡しをしていたが、今年から配送も可能にした。