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水中写真家、長島敏春さんが逗子のサンゴ写真集発売 記念トーク&サイン会も

長島さんのギャラリー「海と森のギャラリー」にて、展示会用の写真を準備中

長島さんのギャラリー「海と森のギャラリー」にて、展示会用の写真を準備中

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 逗子の水中写真家、長島敏春さんが7月22日、逗子文化プラザホール・ギャラリーで、写真集「逗子サンゴものがたり」(じゃこめてい出版)発売記念トーク&サイン会を行う。写真展は19日~22日、同会場で開催される。

長島さんの本。(左から)写真絵本「サンゴの海」(偕成社)、新著「逗子サンゴものがたり」(じゃこめてい出版)、「マングローブ生態系 探険図鑑」(偕成社)

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 長島さんは、1987(昭和62)年より独学で水中写真を始め、2007年、温暖化による石垣島のサンゴ礁大白化に遭遇、雑誌「アサヒカメラ」に写真を発表した。その後、国内外のサンゴ礁の写真を通して、海の環境を発信している。3年前、逗子の小坪沖、オオタカ根に生存するサンゴ礁に関心を持ち、移り住む。

 長島さんによれば、オオタカ根は東西に60メートル、南北に100メートルという大きな岩礁で、そこにサンゴが生息しているという。黒潮の支流があたり、大きな波が立つためにサーファーの集まることでも有名な場所。相模湾の深海からも栄養素が流れ込み、魚の種類も豊富。

 「サンゴはどちらかといえば地味な生物、専門に写真を撮っている人はいない。ダイバーたちも、伊豆方面は好むが、湘南の海に潜る人は少ない。でも逗子の海のソフトコーラルの素晴らしさを見たら、これを後世に残しておきたい、子どもたちに伝えたいと思った」と長島さん。ソフトコーラルとは、硬い骨格を持たず、小さな骨片を持ち、柔らかい種類のサンゴ。

 2年前から撮りためた写真は約2万枚。その中から、約100枚を春夏秋冬に分けて「逗子サンゴものがたり」という写真集にした。四季で変わる海の透明度、サンゴの色の変化、そこに生息する魚たち。水深20~30メートルで展開する世界は、冬場は海面から見ることもできるというが、初心者が潜れる場所ではない。長島さんは「逗子の海にこういう物語がずっと続いてきたということも知ってほしいと思い、このタイトルにした」と話す。

 同写真集の発売を記念した展覧会には、収められた写真の中から16点を選んだ。22日のトーク会では、長島さんが写真家としてテーマとしているサンゴをはじめ、海の生態系の話をする予定。

 「ごみの分別が大切という環境問題の話も大切だが、まず、自分たちの住んでいる海にこんな素晴らしい生態系があることを知ってもらい、愛着を持ってもらえれば、自然を大切にしようと思えるのでは」と期待を込める。

 トーク&サイン会は、22日13時~。問い合わせは、海と森のギャラリーまで。

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