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逗子の古民家でメインロケ 映画「向こうの家」全国劇場公開へ

「逗子海岸 古民家」の管理者、白川喜寛さん。映画のワンシーンでも使われた縁側で

「逗子海岸 古民家」の管理者、白川喜寛さん。映画のワンシーンでも使われた縁側で

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 逗子の宿泊・貸しスペース「逗子海岸 古民家」(桜山8、TEL070-4321-6715)でメインロケを行った映画「向こうの家」の全国劇場公開が10月5日、「渋谷シアター イメージフォーラム」から始まる。

映画「向こうの家」の1シーン(提供=西川達郎さん)

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 黒沢清監督、諏訪敦彦監督に師事した西川達郎さんが東京芸術大学大学院映像研究科在学中に製作した初めての長編作品。「ええじゃないかとよはし映画祭2019」でグランプリ、「はままつ映画祭2019」で観客賞など各地の映画祭でさまざまな賞を受賞している。

 原案は西川さんのオリジナルで、「一見仲むつまじく見えて、やや壊れかけた家族と父親の愛人を巡る物語を、高校2年の少年の視点で温かさとユーモアを交えて描いた」という。

 映画の中で、父親と別れてもらうために高校生が通う愛人の家に使われたのが、逗子海岸そばの山間に立つ「逗子海岸 古民家」。住宅地の細道から石の階段を70段ほど上った2階建て。2017(平成29)年の秋、約2週間かけて撮影した。

 西川さんはロケ地として決めた理由を「もともと逗子の海には遊びに来ていて、心の距離は近い場所だった。家を見た時、和洋折衷の造りが、愛人という設定を扱う作品として、善悪だけでは語れないさまざまな捉え方が交じり合っているというイメージにいいと思った。また長い階段もそこを上り下りする少年の心の成長を反映していると感じた」と説明する。

 海岸や葉山マリーナ、近くのバス停などのシーンもある。「Seisho Cinema」ではベストロケーション賞も受賞している。

 建物の管理者は「祖父が残した家を拠点に古民家再生ビジネスを始めた」という不動産業「白川總業」の白川喜寛さん。「都内で不動産を始めた祖父が別荘として購入した家。横浜に住んでいた私も小学生の頃、夏になると遊びに来ていたし、中学高校は逗子開成だったのでここに友達を呼んでよく使わせてもらっていた。祖父が亡くなった後、20数年空き家だったが、民泊のことを学ぶうちにここを生かしたいと思い、『空き家相談士』の資格も取得して2017年から始めた」と話す。残っていた荷物の整理や掃除、庭に石を敷く作業など自ら行ったという。映画のロケの合間には顔を出し、見守った。

 西川さんも白川さんも来年、逗子での映画上映を希望している。

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