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逗子の池子の森自然公園で「夜明けの野鳥観察会」 30種類の野鳥を確認

自然観察案内人、逗子在住の田中和徳さん

自然観察案内人、逗子在住の田中和徳さん

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 「夜明けの野鳥観察会」が5月18日、逗子の池子の森自然公園で行われた。主催は逗子市環境都市部緑政課。

双眼鏡で声のする方を探す参加者たち

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 同公園は、2014年11月に逗子市と共同使用が始まった池子米軍住宅地区内の一部にあり、2016年に開園。担当課では環境省のモニタリング1000に登録し、カエルやチョウなどの生息や生育環境の質などの調査をしている。野鳥の観察もその一環。

 緑政課長の小川慎さんは「調査員だけでなく、市民の皆さんにも池子の自然環境を知ってほしいということで昨年11月には開園時間の8時30分集合にしたが、野鳥を観察するには明け方がいいということで今回は開園時間外だったが朝4時半集合にした」と説明する。

 当日は「日本野鳥の会」でも約30年活動していた逗子在住、自然観察案内人の田中和徳さんの解説の下、鳥の声を聞き分け、姿を探しながら公園内を散策。池では色鮮やかなカワセミを、谷戸の奥ではオオルリの姿をとらえ、田中さんの30倍レンズを装着した望遠鏡でさえずっている様子を観察。参加者は「かわいい」「初めて見ることができた」と喜んだ。

 参加者の中には、持参した双眼鏡で見つけることができず、悔しさをにじませる人も。田中さんは「自然の中で鳥がどこにいるか教えることは難しい。木の名前を知ることも必要。方法の一つは、枝先など目標物を時計の中心にして、針の先で方向を示す。目視あるいは双眼鏡で確認できたら、望遠鏡を使う」など見つけるこつを紹介する。

 8時までの約3時間でウグイス、コジュケイ、ホオジロ、カルガモ、ヤマガラ、コゲラなど約30種類を確認。ひときわ大きな声で鳴く外来種、ガビチョウの存在を初めて知った参加者もいた。

 田中さんは幼少の頃から鳥に関心を持ち、会社員時代は出張先に必ず双眼鏡を持参し、30代で「日本野鳥の会」に入会。逗子に越してきてからは、逗子、葉山、横須賀にまたがる二子山山系を主なフィールドにして、鳥はもちろんクモ、チョウ、カエルなども観察してきた。「二子山定例探鳥会」を立ち上げた一人でもある。

 「野鳥観察は観察会に参加するだけでなく、自分で歩いて自分の目で探すことをお勧めしたい。1年目は分からなくても、2年目になると確認できて、3年目になるとどの時期にどの場所でどんな鳥がいるか確信を持てるようになって楽しくなるし、鳥だけではなくその地域に詳しい人になる」と話にも熱が入る。

 同行したサポーターの一人は「葉山の森戸川の渓流沿いは、川があるために池子とは違う種類の鳥がいる。サンコウチョウを見られる可能性も高い」と紹介し、観察会の楽しさを味わった参加者は関心を寄せていた。

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